一連の小沢裁判についてろくでもない論評がまかり通るなかで、かつて小沢一郎と行動をともにした2人の政治家が鋭い批判を投げかけている。国民は提灯評論家の言葉を聞く前に、この2人の声に耳を傾けるべきではないか。
指定弁護士、控訴へ=小沢元代表無罪に不服-共謀立証可能と判断
資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた小沢一郎民主党元代表(69)への東京地裁の無罪判決に対し、検察官役の指定弁護士は9日、東京高裁に控訴することを明らかにした。同日に最終協議した結果、控訴審で元秘書との共謀を立証し、無罪を覆すことは可能と判断したとみられる。
党員資格停止処分を解除した民主党の決定は覆らないが、小沢元代表の復権に一定の足かせとなりそうだ。 大室俊三弁護士ら3人の指定弁護士は同日午後に記者会見し、控訴を決めた理由などを説明する。(2012/05/09-13:15)
この件に関して、やれ国策だの、自民党の陰謀だの、民主党の反小沢派が検察に影響力を行使しただの、検審のメンバーが怪しいだの、いちいち相手する気にもならない低次の議論が横行している。
三百代言のざれごとに一切つきあう気のない当方としては、かつて小沢一郎と行動をともにし、小沢一郎に愛想をつかして袂をわかった2人の政治家の言葉を引用することで、本件への態度表明としておく。
現・自由民主党の石破茂氏は93年に「政治改革法案」をめぐって自民党から役職停止処分を受け離党。新進党結党に参加するも小沢と安全保障政策について、とくに国連観をめぐって激しく対立し、新進党を離党して自民党に復党した経歴を持つ。石破氏は言う。
共謀共同正犯、とは…犯罪計画を立案する際、中心的な役割を果たす者こそ、実際に手を下していないとはいえ正犯として罰せられるべきである、とするもので、学生の頃、暴力団の親分と子分の例を引いて習った記憶があります。親分が子分に「お前、あの野郎を殺して来い」と命令するとき、親分自身は殺人行為を実行していなくても、実行した子分と共に殺人罪の共同正犯となるというものです。
小沢氏と秘書たちはまさしくこの親分と子分の関係だったのでしょうし、細かなことに極めて神経質なことで知られる小沢氏の了承なしに四億円もの金額の政治資金報告書への虚偽記載が行われるなどということはまずありえないことです。
http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-7873.html
詳しくは石破議員のブログを読んでいただきたいが、当方はこの意見に一字一句まで同意する。
小沢は著書(※実際には大蔵官僚がゴーストライターをつとめた)『日本改造計画』で、政治資金の出入りを1円に至るまで全面公開し、完全に透明化することで、政治家が不正を働く余地も、国民が不信を抱く余地も全くなくすべきとまで唱えていた。
その小沢が「政治資金報告書など一度も見たことがない」とうそぶく。ここに人間・小沢一郎の限りない醜さが現れている。
現・たちあがれ日本の西村眞悟氏は旧民社党出身。民社党解党後は新進党に参加し、その後は自由党、民主党と長きにわたり小沢と行動をともにしたが、今や小沢のことを「岩手のおっさん」呼ばわりだ。西村氏は言う。
昨日の夜、支援者の方達と懇談していて、小沢裁判について聞かれた。次のように答えた。検察官に指定された弁護士が、「法律家」なら、地裁の判決を読めば、必ず控訴する。
貴男が、スピード違反で警官に捕まったとき、「天下国家のことだけを考えていたので、制限速度を知らなかった」で、通用しますか。
それと同じことです。
地裁判決の論理は、この単純な感覚を無視したものです。
http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?page=732
控訴が確定した以上、小沢一郎は再び「小沢被告」として法廷に立つことになる。これが政治家・小沢一郎の政治生命を絶つことになるかもしれないと、小沢派の議員や気色の悪い小沢支持者が大騒ぎしているが、日本の裁判が三審制であることなど、小学生すら知っていることだ。がんばって応援しなさいと言っておく。なにせ小沢氏は裁判に使う費用に事欠かない御仁なのだから。
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