ここ1ヶ月ほどの間に興味深く読んだ記事をまとめてみましたが、まあオバマ大統領の命数は完全に尽きたという気がしますねえ。
・袋小路の中東(ブログ・『中東の窓』)
http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4566911.html
総合的な中東政策の欠如したオバマ政権は、シリア問題で口先介入を繰り返しては失敗するとロシアのプーチン大統領に救いを求めてみたり、イランのロウハニ新大統領と関係を好転させようとしながら、イランを危険視するサウジ他湾岸諸国との十分な対話をするでもない。このような態度はエジプトとの関係でも裏目に出て、エジプト新政権の不信を買い、やはりサウジの不信を増幅させた。中東ではプーチン大統領の株が非常に上がっている。・フィリピンの対中国姿勢やわらぐ(メルマガ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」)
http://melma.com/backnumber_45206_5924735/
フィリピンのベニグノ・アキノ大統領は中国側と対峙する姿勢をとり続けてきたが、米国からの「同盟強化」がリップサービスに過ぎないと分かり、国内諸派の支持を維持できなくなってなし崩し的に対中姿勢を軟化。オバマ大統領のマニラ訪問はドタキャンされ、やむを得ずマニラは北京との対話へ方針を転換…。スピック湾への米海軍回帰は望み薄。アジア太平洋重視と言いつつかけ声倒れのオバマ政権。・オバマケアのウェッブサイト史上最低技術にシリコンバレーも唖然(ブログ『In The Strawberry Field』)
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2013/10/post_1565.html
オバマケアの散々な内容もさることながら、オバマケアに加入しようと思っても受付ウェッブサイトが10月1日の初日から多数の受付に全く応じられずにダウン。二週間以上たっても全国でたったの50人しか申し込めていない。国税四億ドルも使って起きながらこの体たらく。サイトの契約を請け負ったのはミッシェル夫人の大学時代の同級生が経営する会社だという話も出てきて、オバマ政権は本気で国民皆保険に取り組む気持ちがあるのかどうか疑わしい。・オバマ米大統領の支持率39%、過去最低の水準に迫る(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/35039484.html
調査機関ギャラップが5日に発表した最新世論調査で、オバマ米大統領の支持率が40%を割り込んで過去最低に迫った。オバマ大統領の支持率は39%、不支持率は53%だった。
・オバマ大統領、レームダック化の危機 ほぼすべてのハードルで躓き、指導者としての威信失墜 《Financial Times》
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39210
過半数の米国人はもう、オバマ氏がいつも真実を語っているとは思っていない。もし米国が違う政治体制を取っていたら、オバマ氏は不信任案を突きつけられるか、解散総選挙に打って出なければならなくなっている。恒久的なレームダックになりかねない。
看板政策の医療保険改革について、実際にはできないことまでもしきりに約束してきた。早まった約束をし続け、演説を統治と見なし、その場しのぎの言い逃れをした。
来年の中間選挙で議席を失うことを恐れた民主党議員らの造反が増えており、その範囲も、中東問題からオバマケアに至る多種多様な分野に広がっている。
TPPでオバマ政権が環太平洋諸国から譲歩を引き出せるかは、議会が大統領に貿易促進権限を与えるかにかかるが、議会がこれを付与する公算は小さくなっている。
オバマ氏は国外でも国内でも、大きな問題においては自信を持って約束できることが何もない状況にある。どん底に落ち込んだオバマ氏のパワーがこれから急速に上昇すると自信を持って考えられる理由は、ほとんど見当たらない。
FT紙の記事で興味深いのは通商問題の部分でしょうか。オバマ政権は議会の協力を得られず、かなり弱い立場でTPP交渉へ臨んでいることが見受けられます。
11月23日の段階では、TPP交渉で不安視されていた遺伝子組み換え食物の表示や食品安全基準について、日本側の基準を変える必要はないことが確認されました。
また、重要品目の関税撤廃も国ごとに決定するということで、聖域なき関税撤廃という当初のフレーズは完全に死文となりつつあります。
これもオバマさんが勝手にズッコケてくれたおかげだと思えば、むしろありがたいぐらいの話でしょうか。大統領閣下、大変お困りのご様子。日本もしっかり足下を見てあげるのが吉ですかね。
ちなみにマニラ訪問ドタキャンの件は、さすがにオバマ氏も心がとがめたらしく、日程を再調整にかかっている模様。目下、フィリピンは台風30号によって壊滅的な被害を蒙っており、日米はじめ国際社会の必死の救援活動が続いておりますが、救援に出遅れた中国への国際的な批判は厳しく、フィリピンの方々も日米への信頼感を新たにしてくれたようです。
ズッコケ大統領が失った信頼を現場の兵隊さんが必死に働いてリカバリーするというのは、古今東西どこでも見受けられる構図ですが、台風30号がもたらした人的被害の過酷さを見るにつけ、とうてい喜ぶ気になれないのは誠に辛いところです。
台風30号で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、被災者の皆様が一刻も早く平穏な暮らしを取り戻せることを願っております。
※参考記事
食品の安全基準変えず TPP並行協議で日米合意(朝日)
http://www.asahi.com/articles/TKY201311220572.html
重要品目の関税撤廃、国ごとに決定 TPP交渉(日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF2300F_T21C13A1NN1000/?dg=1
TPP交渉、労働・政府調達で実質合意近づく 政府説明
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2102Y_R21C13A1EE8000/
海外「だから日本人が好きなんだ」 日本の援助隊の能力にフィリピン人感銘(パンドラの憂鬱)
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-1002.html
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