安倍晋三首相は25日から27日の東南アジア訪問でフィリピンを訪れ、政府開発援助(ODA)の円借款を活用し、巡視船を供与する方針を表明する見通しだ。フィリピンは南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権を巡り中国と争っており、海上警備を支援する。供与条件や巡視船の数など詳細は今後詰める。2014年にも供与を始める。
外交安保専門誌「The Diplomat」が出したフィリピン外交方針についての記事。
The Philippines’ Search for Strategic Partners
http://thediplomat.com/2013/07/23/the-philippines-search-for-strategic-partners/
南シナ海全体に対して「明白な主権」を主張し、あれこれ周辺国にいちゃもんをつけ恫喝する中共に、フィリピンのような周辺の小国がどう挑むのかという内容です。
フィリピンは国益を守るために戦略的なパートナーを探し続けており、もちろんその筆頭にあがるのは日本と豪州だと。
日本とフィリピンの関係はそもそも経済的なものとして始まったが、経済協定を結んでからは共通の政治的目標を共有する戦略的な関係へと向かっているとあります。
2011年にはベニグノ・アキノ大統領と野田佳彦首相(当時)が、海上自衛隊とフィリピン海軍トップによる定期協議の開始も盛り込んだ共同声明を出していますが、これが南シナ海で影響力を強める中共を念頭に置いていることは言うまでもないでしょう。
安倍政権発足後に岸田外相が最初に訪問したのはフィリピンだったこと、日本がODAを使ってフィリピンに巡視船を供与すること、小野寺防相が6月にフィリピンを訪問し、東・南シナ海の懸案は「法の支配による問題解決をはかるべき」との点で一致したこと、なども記述されていました。
ちなみに、フィリピンのガズミン国防相は米海兵隊の受け入れ拡大を図る考えも表明しています。米海兵隊はすでに豪州との間でローテーション配備の合意に達していますが、この枠組みをフィリピンとの間でも共有できるよう、米比両国は目下交渉中。
日本では参院選という大イベントが与党勝利に終わり、今後はスムーズな政策運営に期待がかかりますが、その手始めに行われる安倍総理の東南アジア訪問には、諸外国からも注目が集まっている模様。日本政府には着実で迅速な外交を期待したいところですね。
■参考記事
Japan PM due in Manila this weekend
http://newsinfo.inquirer.net/449927/japan-pm-due-in-manila-this-weekend
0 件のコメント:
コメントを投稿