2013年5月28日火曜日

インド、中国を無視して日本海軍との演習を維持

インドのシン首相が27日夜に羽田空港へ到着。29日には安倍晋三首相と会談する。これに先立ちインド大手英字紙デカンヘラルドが、前進する日印の防衛協力について記事を掲載。以下訳出。


India ignores China,holds drills with Japan Navy

http://www.deccanherald.com/content/334689/india-ignores-china-holds-drills.html

インド、中国を無視して日本海軍との演習を維持

ニューデリー:2013年5月26日

 インドと日本の戦艦は正規の演習を維持する。ニューデリーと東京が両海軍間の演習を制度化することになっているためだ。

 アメリカが主導する対中牽制の勧誘から距離を取れ、との北京からの呼びかけにもかかわらず、インドは今や日本との海軍演習を制度化するようだ。来週前半に東京で、マンモハン・シン首相が日本のカウンターパート安倍晋三氏と地域安全保障を議論する予定だからだ。

「我々はインド洋における演習の維持に日本を招待し、今はそれを固定化する予定だ。というのは、我々が共同演習を計画する時が分かるように彼らが働くには、固定された計画を持つ必要があると言われたからだ」 首相の次の訪日に関する報道機関への説明の際、外務次官ランジャン・マタイは言った。

 インドはまた、北京がパキスタン占領下カシミールにおけるイスラマバードのインフラ整備を援助し続ける誓約にも“強い留保”を表明した。「我々は最高レベルでの中国のリーダーシップとして知られるものと見なした。これについては深刻な留保を示す」 マタイは言った。

 彼は、中国の李克強首相が最近パキスタンを訪問した際に、北京とイスラマバードが調印した覚書に反応していたのだ。覚書はパキスタン占領下カシミールを通過する中パ経済回廊を想定している。

 パキスタン占領下カシミールを含むジャム・カシミール州全体は不可分のインド領であり、不法占領地域においてパキスタンによって企てられるいかなるプロジェクトも、パキスタン自身のものか外国の援助によるものかを問わず、「法的根拠はなく、一切受け入れられない」とニューデリーは主張している。

 中国との領土紛争が日本とインド両国において表面化したこの時期に、シン首相は日本を訪問する。シン首相は安倍氏と定期的な会談を行うことになる。安倍氏は、中国語では釣魚島群島、日本語では尖閣諸島として知られる島に関する東京と北京の議論で、強硬路線に立つ人物である。

 アメリカ同盟国日本との防衛協力を向上させようとするニューデリーの動きもまた、李克強の印パ訪問に引き続いて間近なものとなる。中国の首相は、遠く隔てられた関係は隣人ほど有用なものではないと、先週火曜にニューデリーで述べた。

 彼はどうやらインドに戦略的なメッセージを送るため所見を述べたようだ。北京が中国封じ込めを狙っていると見ているアメリカのアジア再均衡政策に参加しないようにと。インド海軍と日本海上自衛隊の最初の合同演習─JIMEX 12─は2012年6月に東京沖で行われた。次の演習は今年後半にインド洋で行われる模様だ。正規の訓練の開始となる。

 インドは2007年に、アメリカ・オーストラリア・日本・シンガポールと共に、ベンガル湾におけるマラバール海軍演習に参加した。中国は同年、一足先にニューデリー・ワシントン・キャンベラ・東京の四カ国の計画を知ろうと必死で策を弄していたが、五カ国訓練はその中国を驚倒させたと言われる。

 ニューデリーの明かすところによれば、最近ワシントンと東京は三カ国海軍訓練の可能性を模索しているという。外務次官はまだ決定したわけではないと述べているとはいえ、インドと日本は二国間訓練を進めていく模様だ。


 翻訳の専門家ではないので、誤訳・迷訳・欠陥翻訳はひらにご容赦。

 2007年の8月に安倍総理が訪印して以後、両国の関係は経済・貿易面だけでなく安全保障面でも向上を続け、昨年6月には海上自衛隊とインド海軍艦艇が相模湾で合同軍事演習を行うまでになりました。29日には日印首脳会談が行われますが、安倍総理も年内の訪印に前向きな姿勢を示しています。

 中国側は記事にもあるように、パキスタン訪問の際、印パ紛争地であるカシミール地方を通過する経済回廊の整備を表明していますが、これは日本に置き換えれば、中国と韓国が竹島を途上に含む海上航路の整備を勝手に表明したようなもので、インド側には到底受け入れられないでしょう。

 カシミール地方ではインドと中国の国境が画定されていない地域もあり、インド側の実効支配域に中国軍が駐屯地を設置して、両軍がにらみ合いに入ったと報道されたのは記憶に新しいところでしょう。インド与党の国会議員らが、毛沢東派共産ゲリラの襲撃を受け殺害されるという痛ましい事件も起こっています。

 このような事態を受け、インドのメディア・有識者間には中国への警戒心を現し、対中外交の見直しを迫る論調が目立ってきているようです。

 インドはシッキム地域をインド領と認めさせる代わりに、チベットを中国領として認める取引を行った過去がありますが、底知れない中国の領土的野心の前には、そのような譲歩など何の意味もなかったという反省もなされているようです。

 伝統的に非同盟外交を続けてきたインドが、いきなり対中封じ込めに加わることは考えにくく、日本もインドとの協力に過剰な期待を持つことは慎まねばならないとはいえ、こういったインド世論の変化は大変興味深いものです。

 第1次安倍政権での訪印から6年。向上し続けてきた日印関係は新たなステージに入りつつあります。今後の両国関係のいっそうの発展を願ってやみません。

3 件のコメント:

  1. 初めて訪問します。西村幸祐氏のツイッター経由で参りました。

    こういう動きがあったのですね。まさに巧妙な中国牽制を繰り広げる安倍外交はあっぱれでありますね。

    朝日新聞グループは自分たちのボスである中国様が封じ込められるのが不愉快なのでしょう、本日の報道ステーションによれば「日印首脳会談から見る中国包囲網に誤算か…」なのだそうです(笑)。朝日によれば(苦笑)。

    さすが、日本を貶めるマスゴミ代表なだけありますね(`・ω・´)。

    では。

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  2. 私も 幸祐さん経由で参りました!
    折角、こんな素晴らしい文章があるのに、
    ツイッターボタンを見つけられなくて残念!
    是非、設置して下さいませ!
    匿名にしましたが、
    FB、ツイッター ともに 加山こういち で
    設定してあります。
    よろしくです!

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  3. 加山です
    失礼しました!
    ツイッタ−ボタンを見つけまして
    即座にツイートさせていただきました!

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