2012年11月8日木曜日

安倍晋三さんについて


 

安倍氏「物価上昇3%がいい」 日銀の金融緩和策を批判 朝日新聞

 自民党の安倍晋三総裁は7日朝、東京都内で講演し、「日本銀行は『ここまで緩和する』と読まれてしまっている」と語り、日銀の金融緩和策を批判した。その上で「私は(物価上昇率)3%がいいと思うが、政権を取ったらインフレターゲットを設けたい。日銀総裁にコミットしてもらい、達成できなければ責任を取るか説明責任を果たしてもらう」と述べ、日銀法改正にも意欲を示した。


 自民党の安倍晋三総裁が物価上昇率3%のインフレターゲットを設定したいと発言したことが評判を呼んでいます。この件で一番しっかり記事を書いているのはロイター通信でした。以下引用。

日銀と政策協定結びインフレターゲット設定へ=安倍自民党総裁 ロイター通信

 [東京 7日 ロイター] 自民党の安倍晋三総裁は7日午前、都内で講演し、政権奪還後の経済政策について、デフレ脱却のために政策を総動員する必要があるとし、あらためて日銀に強力な金融緩和を求めていく考えを示した。政府・日銀間で政策協定(アコード)を結び、インフレターゲットを導入する考えを示し、政策目標を達成できなければ、日銀および日銀総裁には責任を求める考えも表明。インフレターゲット設定などができなければ、日銀法改正も視野に入れる考えを示した。

 安倍氏のこれまでの持論を展開した形だが、政権奪還後の対応策として明言したのは初めて。日銀法改正も視野に、より一層強力な金融緩和を求めていく考えを繰り返した。

<物価目標3%達成まで無制限に金融緩和を>

 10月30日の日銀の追加緩和策について安倍氏は「市場はほとんど反応していない。織り込み済みだった」とし、日銀が2月に導入した「中長期的な物価安定のメド」についても「目標」と明言せず「目途(メド)」としたことに触れ「目途は天気予報みたいなもの。責任も説明責任も伴わない」と批判した。

 そのうえで政権奪還後の金融政策に関して「日銀と政策アコードを結び、インフレターゲットを設けたい。これは目途ではなくターゲットだ。日銀総裁および日銀にはコミットしてもらい、達成できなければ責任をとってもらう。達成できなければ説明責任を果たしてもらうことだ」と、強い姿勢で臨む考えを強調。「達成できなければ日銀法改正し、現行の日銀法にある日銀の使命に、雇用の最大化など実体経済に対する責任ももってもらう」と提案した。

 物価目標については「私は3%がいいと思う」と持論を展開しながらも、専門家の協議を待つ考えも表明。手段は日銀が決めていくことだとしながらも、「あくまでも3%達成するまでは基本的に無制限に金融緩和をしていただく必要がある」と語った。

 現下の最大の問題はデフレだとし、デフレ脱却のために政策を総動員する必要があると指摘。強力な金融政策や財政政策を求めたほか、成長を促す成長戦略を打ち出し実行することを約束するとした。また、同時に円高を是正する必要があるとしたが、具体策はなかった。

 冒頭に紹介した朝日新聞の記事は夕刊2面の一番下にちょこっと書いてあるような記事で、この発言の重要性を伝える気は全くないようです。

 まあ、主筆の若宮啓文がはっきり「安倍叩きは朝日新聞の社是だ」とまで言ってのける新聞ですから、今後も重要な発言は極力小さく扱い、どーでもいいことはグダグダと書き連ねるのでしょう。

 ロイターの記事は安倍総裁の発言の重要さがある程度伝わるような構成になっていると思います。まあ、最後の「円高是正の具体策はなかった」という一文で、記者がインフレターゲットの意味を理解していないことがバレてしまっていますが。

 予想インフレ率が1%上がれば為替レートは26円ぐらい影響を受けると言われています。無制限に緩和をすること自体が為替対策だということを理解しないで記事を書けるとは凄いなと思いますが、まあいいでしょう。

 そもそも安倍晋三さんは以前から消費増税についても批判的で、自民党のマニフェストを先送りすべきだと発言していましたし、日銀による国債引き受けにも言及していました。メディアが安倍さんの発言をほとんど報じなかったので知らない人が多いだけでして、このことを私がTwitterで指摘したところ、かなり反響があったのを思い出します。


 いわゆる「消費増税法案」については、附則18条にある通り、自動的に消費税がアップされるわけではなく、2012年から2020年までの名目成長率3%、実質2%が巡航速度となりますし、2014年に税率を上げるかは時の政権(総選挙後に誕生する政権)が判断することとなっています。

 総選挙後に首相となる可能性の最も高い安倍晋三さんが、消費増税に反対の立場であることを考えると、第二次安倍政権が誕生すれば2014年の消費税率アップは避けられる可能性が高いでしょう。

 他にも安倍さんは公共投資を着実に実施していくことや、「聖域なき関税撤廃を目指すTPPに反対(これは自民党の方針でもある)」など、堅実な主張をしていますね。経済政策を重視するなら、次期選挙の投票先は安倍自民党一択という状況ではないでしょうか。



 もちろん人間同士、それぞれ意見の異なる部分があるのは当たり前で、私も安倍総裁の政策に全面的に同意しているわけではありません。

 たとえば皇室典範の問題については、安倍さんにもっと柔軟に思考してもらいたいと思っていますし、原子力発電についても「脱原発依存」という言葉でお茶を濁してほしくはないと思っていますが、とにかくデフレ不況を脱却しない限り、日本国家が身動きを取れない状況は続きます。

 シャープ・パナソニックはじめ家電メーカーも打ち続く円高で疲弊しきっている。企業は設備投資を控え、個人消費も伸びる余地がない。そういう状況で新エネルギーの開発に成長の活路をといっても、マクロ環境が邪魔をして何も動かないことになる可能性は極めて高い。ひいて社会保障費や国防費の確保にも苦しむことになる恐れがあるわけです。

 だとすれば、ここで第二次安倍政権を誕生させることで、国力の回復を果たすという選択肢がベストでありましょう。その意味でも私は安倍自民党を支持したいと思いますし、安倍さんにはそれを実現できる力量があると思います。



 しかし、より個人的なことを言えば、私は安倍晋三さんという人が好きなのですよね。中共の胡錦濤総書記が来日した折、他の総理経験者が萎縮する中で、ウイグル人トフティ・トゥニヤズさんの人権問題を直言したのは安倍さんだけでした。

 そのことをウイグル人がどれほど感謝してくれているか。実際に「世界ウイグル会議応援シンポジウム」に参加した身としては、この件ひとつを取っても安倍晋三を応援せずにはいられない気持ちになるわけです。


 人間は感情の生き物ですから、私が安倍さんを支持するといっても、そこに若干のひいき目があることは否定しません。拉致問題で一歩も引かない若き官房副長官として大いに注目された頃から今日に至るまで、私が安倍さんをえこひいきしてきたのは事実です。

 それにしてもなぜ安倍さんという人は、こんなにえこひいきしたくなる人なのか。時折、安倍さんの人柄からにじみ出る優しさみたいなものが、とても心にしみることがあります。

 拉致被害者の方々が羽田空港に降り立ったとき、安倍さんは横田夫妻が愛娘めぐみさんを両手で抱きしめる日まで闘うことを決意されたとか。

 世間では「タカ派」の一言で片付けられやすい主張の中に、どうにも隠しきれない優しさがのぞくところが、人間・安倍晋三の最大の魅力かも知れません。正直、私もまたそんな安倍晋三のファンの一人なのです。

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